ウィズ(WITH)新型コロナウイルスの始まり

新型コロナウイルスの有効な治療薬やワクチンが未だない現在、ウイルス感染被害を避ける最も有効な対策は、人との接触を最小限にすることと言われています。海外の都市ロックダウンや日本の緊急事態宣言下のオフィス集合勤務から在宅勤務へ、人が密集する集会や娯楽イベントの自粛、デパートや娯楽施設など集客施設の営業自粛など、密閉、密集、密接の3密を避ける対策は感染拡大を一時的に抑えました。

経済活動を再開した現在、ウイルス感染は止まらず、日常の生活は新型コロナウイルスとの共存を余儀なくされています。ウィズ(WITH)新型コロナウイルスの始まりです。ウイルス感染を避けるため、人々は密集ではなく分散、集合勤務からテレワーク、対面よりオンラインへと意識と行動を変え始めました。既に普及しているインターネット通信とデジタル化、ITの活用はこの新しい生活様式の変化を可能にしています。

一早く変化に対応したIT技術に比べて、建築は今のところ窓を開ける、室内の換気量を増やす、座席の間隔を空ける、対面の場に仕切りを設ける程度の対応、集合して仕事や飲食ができない、集会や娯楽イベントは人数を減らして行わざるを得ない、病院や高齢者施設では家族の面会が制限されている状態です。

新型コロナウイルスが消滅するか、ワクチンが世界中の人々に行き渡りウイルスに対する免疫を獲得するまで、これから何年も新型コロナウイルスとの共存、感染防止の生活が続くと言われています。現在の密閉、密集状態の都市と建築が変わらなければ、都市の建物内で安心して活動ができず、人々の接触と集合の制限が続き、経済活動の停滞が続きます。

ウィズ新型コロナウイルスの時代に経済活動を維持するために、建築に何が可能か、考えたいと思います。

医療・高齢者施設の建築と未来